2006-01-01から1年間の記事一覧

相容れない師弟

銅鑼先生、すいません。約束破って読んできちゃいました<週刊エコノミスト掲載のフリードマン追悼文。早速ですが熊なんとかさんへの反論というかなんというかそんな感じのことをば。といっても私が反論するわけではありません。日銀のお師匠であるらしいフ…

We are all Friedmanians now.

●Robert J. Barro、“Milton Friedman: Perspectives, Particularly on Monetary Policy(pdf)”(Federal Reserve Policy in the Face of Crises(Cato Institute 24th Annual Monetary Conference),November 16, 2006) 金融政策の話題に絞って要点を箇条…

フリードマンは永久に不滅です

Cattle die, kindred die, Every man is mortal:But the good name never dies Of one who has done well http://daviddfriedman.blogspot.com/2006/11/mf.html財産は滅び、身内の者は死に絶え、 自分もやがては死ぬ。 だが決して滅びぬのが、自らの得た名声…

フリードマン逝去

2006年は1883年と並んで経済学の歴史上何かと因縁めいた年として記憶されることになるかもしれません。1883年はマルクスが逝去し、ケインズとシュンペーターがこの世に生を受けた年であり、今年2006年はガルブレイスが逝去し、またフェルプスがノーベル賞を…

祝・フェルプス

2006年度のノーベル経済学賞(正式名称は以下略)は「マクロ経済政策の異時点間にわたるトレードオフの分析」に多大なる貢献をなしたE.フェルプス氏に授与されることが決定いたしました。The Royal Swedish Academy of Sciences has decided to award The S…

大学は建物ではない

その東畑博士が草された一文を何気なくよんでいるとき、そこでついに上述の疑問を解消する注目すべきくだりに遭遇した。曰く、シュムペーター文庫の贈呈「式が行われた一橋大学の本館の特別応接室は、昭和6年1月末、厳冬の時に、同大学に講演にきたシュムペ…

クラウディング・アウト

マンキューとデロング、そしてクルーグマンの三者間でクラウディング・アウト談義が行われたとのこと(Economist's ViewにおけるMark Thomaの(IS-LM図を用いた)まとめ参照)。マンキュー 「LM曲線は(FRBが特定の利子率水準を維持すべく金融政策を運営する…

もう一つの多様性―the within variety

Tyler Cowen、“The Fate of Culture(pdf)”(Wilson Quarterly)*1 The argument that markets destroy culture and diversity comes from people across the political spectrum.・・・・ Duke University's Fredric Jameson sums up the common view:“Th…

79年のレジーム転換

●John B. Taylor、“The International Implications of October 1979:Toward a Long Boom on a Global Scale(pdf)” 1979年10月6日のFOMCの決定―ヴォルカーが主導した―はその後の“Great Moderation”(Ben Bernanke、“The Great Moderation” ならびに“The B…

名無しさんへのエール

狂人を会話から閉め出すのは、それなりの利点があるためである。「われはナポレオンなり」とか、同様に「ジョセフィーヌなり」とか言い張る人と議論しても、なんの役にもたたない。また、「最高裁判所は、強固な信念をもち、巧みに偽装した共産主義者たちで…

プチ・西部翁ブーム<続報>

続報ですよ。ただ乗り企画第二弾ですよ。韓リフ先生、梶ピエール先生、econ-economeさん諸氏の心温まるご協力(?)に感謝でありますm()m。不肖hicksianのmixi日記より。『経済倫理学序説』 読みました。観念と事実の、ミュートスとロゴスの、日常(=パン)…

プチ・西部翁ブーム

すべてはここから始まった。あとこちらの書籍はイプシロン出版から刊行されていますが、この出版社から再刊された西部邁氏の「ケインズ」(再刊済)、「ソシオエコノミックス」(近刊)も興味深いですね。大学の時に訳も分からない状態で読んでいたのですが…

自分探し

E田先生のブログで紹介されていた成分解析ソフト(http://www.tekipaki.jp/~clock/software/index.html)を使ってちょっとした自分探しの旅に出かけてまいりました。以下、診断結果。hicksianの成分解析結果 : hicksianの54%は着色料で出来ています。hicksia…

2055年6月24日木曜日

が私の命日だそうです。君が死ぬまであと何秒 byスミルノフ教授公式ウェッブサイト http://prof.suemeweb.com/log/eid575.htmlあと1,557,750,360秒1,550,568,920秒の命。50年(49年と4ヶ月)か・・・。50年も? 50年しか? やっぱ、しかだろうな〜。目の前の…

Fifteen Rules of Health

あとアービング・フィッシャーの「リフレッシュ健康術」コーナー。知ってる人は少ないだろうけれどもフィッシャーは健康術の大家でもあったんですのよ(万国リフレ博物館をつくりませんか?(Economics Lovers Liveより))なんとはなしに血眼になってフィッ…

ゼロインフレの政治経済学

引き続き。Thomas I.Palley、“Zero is not the Optimal Rate of Inflation”自然失業率仮説に基づけば最適なインフレ率はゼロ%であり、金融政策は自然失業率仮説の勧告に従ってゼロインフレを目標として運営されるべきだ、と多くの専門家(経済学者、エコノ…

4つのフィリップスカーブ

Thomas I.Palley、“Zero is not the Optimal Rate of Inflation(pdf)”(Thomas Palley.com(articles)より)。公平賃金仮説文献巡りの旅の途上で偶然発見したもの。 「最適なインフレ率はゼロインフレである」という主張の理論的裏付けとして自然失業率(…

オーカン法則

David Altig, Terry Fitzgerald, and Peter Rupert、“Okun's Law Revisited: Should We Worry about Low Unemployment?”。ネット上でオーカン(Arthur Okun)について調べている際に発見したもの。 The connection between unemployment and GDP growth is o…

フリードマン、グリーンスパンを語る

Economist's ViewよりM.フリードマンのWSJにおけるグリーンスパン評が届きました。“Milton Friedman: Greenspan Ruled with Discretion” http://economistsview.typepad.com/economistsview/2006/01/milton_friedman_1.html グリーンスパンによる絶妙な金融…

Friedman's Plucking Model

Economist's View(by Mark Thoma)を覗いたらフリードマンのPlucking Model関連の話題が取り上げられていた。●“New Support for Friedman's Plucking Model” http://economistsview.typepad.com/economistsview/2006/01/new_support_for.html Plucking Mode…

ケインズ革命の弊害

●Milton Friedman(1968)、“The role of Monetary Policy”(American Economic Review, Vol.58(1)) (ヴィクセルの自然利子率概念にヒントを得て)自然失業率なる概念が初登場する論文(=アメリカ経済学会会長講演)。フリードマン, カルドア, ソロー/…

現代中国と1970年代の日本

●Barry Eichengreen and Mariko Hatase,“Can a Rapidly-Growing Export-Oriented Economy Smoothly Exit an Exchange Rate Peg? Lessons for China from Japan's High-Growth Era”(日本銀行、IMES Discussion Paper Series 2005年8月) 1970年代における日…

FTPL

●土居丈朗“「物価水準の財政理論」の真意(pdf)”(土居丈朗のサイトより)。 FTPL(Fiscal Theory of the Price Level;物価水準の財政理論)は、「物価変動は貨幣的な現象ではなく財政政策による現象である」ことを主張するものである。 物価水準の財政理…

“rise and rise and rise”/“fall and fall and fall”

持ち上げるだけ持ち上げといてからその後容赦なく叩き落す。というよりも、なじるために誉めそやすと考えた方が適当か。マスコミないしはワイドショーの論法だけども、表題とはあまり、いや全く関係ない。取り上げるのは昨日出てきたヴィクセルです。 ネット…

需要は有限か

西部邁氏が先導した「出エジプト」(塩沢由典教授による命名)の動きに共鳴し反経済学の道をまっしぐらに突き進んでいたあの頃(そう昔のことではないけれども)、佐伯啓思著『「欲望」と資本主義』の以下の一節を読んで目から鱗が落ちる思いをしたものであ…

構造改革のミソ

数年前の某缶コーヒーCMだったと思うが、その中でダウンタウンの松本人志が何気なく語っていた言葉が今も記憶に残っている(松ちゃん自身が考えたかは知らないが)。 構造改革のミソはなぁ、「構造を改革する」ことにあるのであって、「改革を構造する」こと…

最後の『冬ソナ』論

田中秀臣著「最後の『冬ソナ』論」(太田出版、2005年)御多分に洩れず(?)、「冬ソナ」をはじめとする韓国ドラマ(一つも見てないかもしれない。申し訳ないですm()m)は未見でして、物語に秘められた暗示や隠喩を読み解くその見事な手綱さばきを評価する…

耐久財のディレンマ

部屋の整理をしていると森嶋通夫著『思想としての近代経済学』を発見。何気なしに読む。 思想としての近代経済学 (岩波新書)作者: 森嶋通夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/02/21メディア: 新書購入: 6人 クリック: 27回この商品を含むブログ (18件) …

出口の抜け方

7月12、13日に開催された金融政策決定会合での決定は、前回と同様当座預金残高目標を30〜35兆円に維持するとともに、俗に言う「なお書き修正」として、金融機関の「資金需要が極めて弱いと判断される場合には」残高目標の下限割れも容認する姿勢を引き継い…

非効率なナッシュ均衡に陥った日本経済

藪下史郎著『非対称情報の経済学』(光文社新書、2002年)を再読。 非対称情報の経済学―スティグリッツと新しい経済学 (光文社新書)作者: 薮下史郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2002/07/01メディア: 新書購入: 4人 クリック: 16回この商品を含むブログ (3…