2006-04-22から1日間の記事一覧

現代中国と1970年代の日本

●Barry Eichengreen and Mariko Hatase,“Can a Rapidly-Growing Export-Oriented Economy Smoothly Exit an Exchange Rate Peg? Lessons for China from Japan's High-Growth Era”(日本銀行、IMES Discussion Paper Series 2005年8月) 1970年代における日…

FTPL

●土居丈朗“「物価水準の財政理論」の真意(pdf)”(土居丈朗のサイトより)。 FTPL(Fiscal Theory of the Price Level;物価水準の財政理論)は、「物価変動は貨幣的な現象ではなく財政政策による現象である」ことを主張するものである。 物価水準の財政理…

“rise and rise and rise”/“fall and fall and fall”

持ち上げるだけ持ち上げといてからその後容赦なく叩き落す。というよりも、なじるために誉めそやすと考えた方が適当か。マスコミないしはワイドショーの論法だけども、表題とはあまり、いや全く関係ない。取り上げるのは昨日出てきたヴィクセルです。 ネット…

需要は有限か

西部邁氏が先導した「出エジプト」(塩沢由典教授による命名)の動きに共鳴し反経済学の道をまっしぐらに突き進んでいたあの頃(そう昔のことではないけれども)、佐伯啓思著『「欲望」と資本主義』の以下の一節を読んで目から鱗が落ちる思いをしたものであ…

構造改革のミソ

数年前の某缶コーヒーCMだったと思うが、その中でダウンタウンの松本人志が何気なく語っていた言葉が今も記憶に残っている(松ちゃん自身が考えたかは知らないが)。 構造改革のミソはなぁ、「構造を改革する」ことにあるのであって、「改革を構造する」こと…

最後の『冬ソナ』論

田中秀臣著「最後の『冬ソナ』論」(太田出版、2005年)御多分に洩れず(?)、「冬ソナ」をはじめとする韓国ドラマ(一つも見てないかもしれない。申し訳ないですm()m)は未見でして、物語に秘められた暗示や隠喩を読み解くその見事な手綱さばきを評価する…

耐久財のディレンマ

部屋の整理をしていると森嶋通夫著『思想としての近代経済学』を発見。何気なしに読む。 思想としての近代経済学 (岩波新書)作者: 森嶋通夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/02/21メディア: 新書購入: 6人 クリック: 27回この商品を含むブログ (18件) …

出口の抜け方

7月12、13日に開催された金融政策決定会合での決定は、前回と同様当座預金残高目標を30〜35兆円に維持するとともに、俗に言う「なお書き修正」として、金融機関の「資金需要が極めて弱いと判断される場合には」残高目標の下限割れも容認する姿勢を引き継い…

非効率なナッシュ均衡に陥った日本経済

藪下史郎著『非対称情報の経済学』(光文社新書、2002年)を再読。 非対称情報の経済学―スティグリッツと新しい経済学 (光文社新書)作者: 薮下史郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2002/07/01メディア: 新書購入: 4人 クリック: 16回この商品を含むブログ (3…