書籍・雑誌

コーエンの新訳が近々出版されるらしいよ

◎タイラー・コーエン著/石垣尚志*1訳 『アメリカはアートをどのように支援してきたか−芸術文化支援の創造的成功』(ミネルヴァ書房、2013年07月刊行予定)以下、出版元であるミネルヴァ書房のHPより引用。 芸術文化の振興に関して、対立するふたつの立場があ…

assorted links;NGDP目標(その2)+α

*NGDP目標(NGDP目標リンク集(その1)はこちら)●Jeffrey Frankel, “Nominal GDP Targeting is Left, Right?”(Jeff Frankels Weblog, May 2, 2013)●Nick Rowe, “Raising expectations of inflation vs raising expectations of NGDP growth”(Worthwhile…

『リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉』

本日(5月24日)、中経出版より高橋洋一氏の監訳・解説で『リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉』が出版されました。本書は、現FRB議長であるベン・バーナンキによる講演(理事時代の講演も含む)と議会証言、そしてFOMCによるプレスリリース(記…

「ザ・日銀の番人」の新著を購入

日本銀行が「デフレの番人」だとすれば、そのような日銀の「デフレの番人」ぶりを長きにわたり厳しく批判し続けてこられた岩田規久男氏は「日銀の番人」(言い換えれば、『「デフレの番人」の番人』)だと言えよう。日本銀行デフレの番人 日経プレミアシリー…

金融政策の実際を学ぶ

*日本 ●日本銀行金融研究所編 『新しい日本銀行―その機能と業務(増補版)』(日本銀行金融研究所、2004年)●宮野谷篤(2000), “日本銀行の金融調節の枠組み”(日本銀行金融市場局ワーキングペーパーシリーズ 2000-J-3) *アメリカ ●Ann-Marie Meulendyke…

アダム・スミス

アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)作者: 堂目卓生出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/03/01メディア: 新書購入: 8人 クリック: 169回この商品を含むブログ (114件) を見る 書店で序章と第1章(出だしを少々)を立ち読みし…

田中秀臣著『不謹慎な経済学』

不謹慎な経済学 (講談社BIZ)作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/02/21メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 303回この商品を含むブログ (60件) を見るアマゾンより本日到着。 毎度のごとく大変興味深く拝読させていただきました。詳しい感想…

Global ImbalanceとかBailoutとか

1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74)作者: 竹森俊平出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/10/12メディア: 新書購入: 11人 クリック: 177回この商品を含むブログ (85件) を見る 何周か遅れでやっとこさ竹森俊平著『1997年―世界を変えた金融危機』…

かのヴァイナー本

Jacob Viner(1937)『Studies in the Theory of International Trade』(New York: Harper and Brothers Publishers)一足遅かった。つい先日図書館で借りて必要箇所(第3章〜第5章)をコピーしたばかり。 悔しい気持ちでいっぱいですけども、それにしてもこ…

セイラー教授の行動経済学入門

リチャード・H.セイラー著/篠原勝訳『市場と感情の経済学』がタイトルを変更して復刊された模様(韓リフ先生経由)。 セイラー教授の行動経済学入門作者: リチャード・セイラー,篠原勝出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2007/10/27メディア: 単行本購…

ネットで学ぶオーストリア学派

Israel M. Kirzner 『Economic Point of View: An Essay in the History of Economic Thought(pdf)』危ない危ない。もう少しで買うところだった。 無料でダウンロードできます。 ちょうど読みたかったところなんだよな〜。実にいいタイミング。 カーズナー…

最後の『冬ソナ』論

田中秀臣著「最後の『冬ソナ』論」(太田出版、2005年)御多分に洩れず(?)、「冬ソナ」をはじめとする韓国ドラマ(一つも見てないかもしれない。申し訳ないですm()m)は未見でして、物語に秘められた暗示や隠喩を読み解くその見事な手綱さばきを評価する…

耐久財のディレンマ

部屋の整理をしていると森嶋通夫著『思想としての近代経済学』を発見。何気なしに読む。 思想としての近代経済学 (岩波新書)作者: 森嶋通夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/02/21メディア: 新書購入: 6人 クリック: 27回この商品を含むブログ (18件) …

出口の抜け方

7月12、13日に開催された金融政策決定会合での決定は、前回と同様当座預金残高目標を30〜35兆円に維持するとともに、俗に言う「なお書き修正」として、金融機関の「資金需要が極めて弱いと判断される場合には」残高目標の下限割れも容認する姿勢を引き継い…

非効率なナッシュ均衡に陥った日本経済

藪下史郎著『非対称情報の経済学』(光文社新書、2002年)を再読。 非対称情報の経済学―スティグリッツと新しい経済学 (光文社新書)作者: 薮下史郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2002/07/01メディア: 新書購入: 4人 クリック: 16回この商品を含むブログ (3…

IS-LMの使用法

前回続き。IS-LMへの批判について。根井雅弘著『「ケインズ革命」の群像』ではIS-LMに対する2つの批判(IS-LMがケインズの重要な側面を捨象している点を問題視するもの)が取り上げられている。第一はパシネッティによるもので、IS-LMでは変数間の関係が相互…

諸々の「ケインズ革命」

根井雅弘著『「ケインズ革命」の群像』を読む。1936年以前に経済学者として生をうけていたことは幸いであった―然り。しかもあまりにも以前に生まれていなかったことが!暁に生きてあるは幸いなりされどその身若くありしは至福なるべし『一般理論』は、南海島…

流動性のワナ

貨幣需要の投機的動機=貨幣と「債券」(コンソル債)間の資産選択の問題、について(堀内昭義著『金融論』、p140〜144参照)。コンソル債(確定利付き債)の流通価格;P=cF/i (F:額面価格、c:クーポン率、i:利子率(最終利回り))コンソル債を1年間…

世界経済の新皇帝

一つの時代=「the Greenspan era」(A.Blinder, R.Reis、“Understanding Greenspan Standard(pdf)”)が終焉しようとしている。1987年以来約18年間の長きにわたり(この間米国大統領の座はパパブッシュ→クリントン→子ブッシュ、の3人が務めあげている)、FRB…

理論における革命の条件

暑い。あまりに暑くて現実から逃避したくなる。経済学者にとどまらず大学の教授は、象牙の塔に立て篭る浮世離れした存在との見方が世間一般的な評。regularなエコノミストを目指す私も観念の世界に生きる感覚に慣れておかねばならぬだろう。心頭を滅却すれば…