79年のレジーム転換


●John B. Taylor、“The International Implications of October 1979:Toward a Long Boom on a Global Scale(pdf)”

1979年10月6日のFOMCの決定―ヴォルカーが主導した―はその後の“Great Moderation”(Ben Bernanke、“The Great Moderation” ならびに“The Benefits of Price Stability”参照)あるいは“Long Boom”(John B. Taylor、“Monetary Policy and Long Boom(pdf)”参照)をもたらすことになる一種のレジーム転換として位置づけることができる。物価安定への力強いコミット―ディスインフレ過程における痛み(から生じるFRB執行部への高まる不満)にもめげることなくインフレ退治に不屈の精神をしめしたヴォルカーら執行部―、FFレート操作における“greater than one” principleの導入はインフレ期待の低位安定化に通ずることによって“Great Moderation”あるいは“Long Boom”の到来を用意した。ヴォルカーの遺産はアメリカ一国だけにとどまらず、世界中の中央銀行の遺産ともなり、その結果が世界規模での“Great Moderation”あるいは“Long Boom”なのである(John B. Taylor、“Lessons Learned from the Implementation of Inflation Targeting(pdf)”参照)。

時間があればもう少し肉付けするかも知れぬ。