インセンティブとしての自尊心

Hicksianさんが紹介した例でも、行動経済学からの説明が試みられているものの、田中先生が提起された論点(「自尊心」という単なる利益では計れないインセンティブ!)などを検証するには、実際に生活保護を受けている人を調査するしかないだろう。
インセンティブの学問・補足(@himaginaryの日記


先日はTBありがとうございました。恩を仇で返すというわけではないですが、「自尊心」という単なる利益では計れないインセンティブという言葉にヒントを得まして勝手ながらエントリーの導入として利用させていただきました。再度、ありがとうございます m(_ _)m。
田中先生が提起なさった論点とは直接の関連はないんですが、内部労働市場(あるいは人的資源管理の分野)における「インセンティブとしての自尊心」という話題を取り扱っている論文を最近読んだんで(+ネット上でも読めるみたいなので)ご紹介。紹介といってもただリンク貼るだけですけど。

●Tore Ellingsen and Mangnus Johannesson(2007), “Paying Respect(pdf)”(Journal of Economic Perspectives, vol.21(4), pp.135-149)


あとネット上では読めないみたいですが(たぶん大学図書館経由でなら読めるでしょうけど)、田中先生が言及されていたコウェンとグラザァの「尊重と無知」論文も紹介しておきます。紹介といっても以下同文。

●Tyler Cowen and Amihai Glazer(2007), “Esteem and ignorance”(Journal of Economic Behavior & Organization, vol.63(3), pp.373-383)


(追記)

Cowen=Glazer論文(2007)の元になったと思われるディスカッションぺーパー見っけた。

●Tyler Cowen and Amihai Glazer, “Esteem and Risk Aversion(pdf)”


あとBrennanとPettitの以下の本も購入して読んでみたいところ。


The Economy of Esteem: An Essay on Civil And Political Society

The Economy of Esteem: An Essay on Civil And Political Society


Brennan=Pettitついでに。

●Geoffrey Brennan and Philip Pettit(2002), “The Hidden Economy of Esteem(pdf)”(Economics and Philosophy, vol.16, pp.77-98)

●Geoffrey Brennan and Philip Pettit(2004), “Esteem, Identifiability and the Internet(pdf)”(Analyse und Kritik, vol.26, pp.139-57)