ケインズ『一般理論』ネット読書会第1回目
始まったよ。
●Tyler Cowen, “General Theory, chapters one and two”(Marginal Revolution, December 8, 2008)
I see three main themes in the book as a whole:
1. Income effects are more important than substitution effects.
2. Expectations matter.
3. The private and social returns to liquidity are very different.
#1 (as applied to macro) and #3 were most original in his time. The book as a whole circles around these themes and repeats them in varying combinations, not always coherently or consistently. You could also add the claims that 4. monetary factors render a "natural rate of interest" problematic and 5. labor markets are special. Chapter two is essentially about #1 and #5.
現在コメント欄の調子が悪いみたいですけど、のちのちディスカッションのためにコメント欄が解放されることでしょう。今帰ってきて何の準備もしてないけども、時間があればあとで参加してみよ。
ちなみに次回のスケジュールもすでに決まっているようで、読書会の第2回目は今週の木曜日(12/11)の予定らしい。次回は『一般理論』の第3章と第4章がテーマですと。
(追記)
ディスカッション会場はこちらのコメント欄の模様。
(追々記)結局読書会には参加できず。次回こそは。
上に引用したけれども、コーエンはケインズ『一般理論』のポイントを3点挙げている。
1. 代替効果よりも所得効果の方が重要である、とのケインズの認識
2. 「期待」要素の重視
3. 個人にとっての流動性の効用と社会全体にとっての流動性の効用とは大きく異なること
第3番目のポイントが何を意味しているのか今のところはあまりはっきりしないけれども、おそらく個々人が貨幣を保有し退蔵することと社会の大勢の人々が同時に貨幣を退蔵することとはマクロ経済に与える影響の点で大きな違いがある、ということを言いたいんだろう。貨幣は好きなものをいつでも好きな時に購入できる力=流動性を備えており、貨幣の保有は個人に選択の自由・伸縮性という効用をもたらす。でもみんなが一斉に貨幣の流動性を求めて貨幣を退蔵してしまった場合、その先に待っているのは有効需要の不足を原因とする不況。
以下ケインズ『一般理論』より引用。
「いって見れば、人々が月を欲するために失業が生ずるのである。欲求の対象(すなわち、貨幣)が生産することのできないものであって、それに対する需要も簡単に抑制することができない場合には、人々を雇用することはできないのである。救済の途は、公衆に生チーズが実際には月と同じものであることを説得し、生チーズ工場(すなわち、中央銀行)を国家の管理のもとにおくよりほかにはないのである。」(第17章, pp.234)
- 作者: J.M.ケインズ,J.M. Keynes,塩野谷祐一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 1995/03/01
- メディア: 単行本
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ちなみにコーエンも共著*1でケインズ『一般理論』に関する論文を書いている(そういうわけでコーエンが『一般理論』を読むのは今回が初めてというわけではないと思う。たぶん)。それも第17章に焦点を当てたもの。
●Tyler Cowen and Randall Kroszner(1994), “Money's Marketability Premium and the Microfoundations of Keynes's Theory of Money and Interest”(Cambridge Journal of Economics, vol.18(4), pp.379-390)