白川総裁の揚げ足をとってみる


●ロイター, “再送:白川日銀総裁会見の一問一答”(2009年10月30日)

FOMC声明文の重箱の隅をつついたついでに今度は日銀総裁である白川総裁の発言の揚げ足をとってみようと思う。といっても揚げ足をとるのは私ではなくてレギュラー先生。以下は某所での先生のつぶやきを転載したものです。

「今回、特別オペ等の時限措置に限らないことであるが、中央銀行の目的は何なのか、使命は何なのか考えると、これは金融市場、金融システムの安定を実現して経済の持続的な成長を図っていくということである。・・・」

日銀の目的としては物価安定よりも金融システムの安定化の方が上位にくるみたいワンね。よく見られることだワンけど。そう考えればデフレ懸念が払拭されない現状で各種時限措置の終了期限を明示するというのも筋が通っているワンかもね。

時限措置が金融市場を歪めているという認識のようだから、時限措置を終了させるというのは金融システムの安定化あるいは金融市場の歪み是正という日銀の第1の目的の達成にとっては当り前の措置なんだろうワン。

時限措置と金利政策とを区別しているようだけど、マーケットや国民はそんなふうに区別して認識してるワンかね。低金利は維持しているから出口戦略に移行したわけではないとのお言葉だけども、時限措置の終了=出口戦略の発動と普通は認識する罠ワン。

時限措置の終了期限を明示することでマーケットの混乱を避けるということだけど、言ってることはこの前つぶやいた「ウッドフォードの一問一答」と似てるようで全然違う罠ワン。これこれという条件が成立すれば時限措置終了、というのと、これこれの日時までに時限措置終了というのはまったく違うワン。

後者は無条件で(マクロ経済環境のいかんを問わずに)これこれの日時までに終わらせますという話だからワンね。マーケットが混乱しているとすれば、時限措置がいつ終わるかわからないからというよりもどういう状況になったら時限措置終了ということになるのかよくわからないからなんじゃないのかワン。

デフレが今後も続くと認識しながら時限措置終了に乗り出すというのは、さらに日銀の真意(どういう状況になれば金融引き締めに乗り出す気なのか)を理解しづらくすることによってマーケットを混乱させることになったんじゃないのかしらワン。

「展望リポートでは2011年度まで物価下落圧力が続く見通しだ。これをデフレと呼ぶかどうかは、論ずる人の定義如何だ。」なんてこと言われちゃうとますますマーケットは混乱しそうだワンけど。