灰川総裁はかく語る

デフレ的政策は採用せず=田銀の灰川総裁

 田銀の灰川総裁は3日通勤途中の電車内で講演し、「国債という借金の実質的な価値を目減りさせるためインフレ的な政策を採れば、さまざまな問題が起こる」と指摘。さらに「しかしながら、インフレ的な政策を採らなければ、つまりはデフレを放置すればということだが、これまたさまざまな問題が起こる」とも指摘。その上で「デフレの継続によって生じるさまざまな問題の中でも最も重要な問題は失業の問題だ。失業の悪化と政府債務の実質的な価値の目減りとのどちらが一国経済にとって重要な問題かは火を見るよりも明らかだ。そうしたこと*1中央銀行は決して行わない」とバランスのとれた見方を披露した。また「長い目でみた物価の安定、経済発展のために金融政策を運営していくことについて、国民・海外投資家から信認を得ることが大事だ」と述べた。
 田銀は先月30日に11年度まで3年連続の物価下落見通しを公表しており、今回の同総裁の発言は、デフレ対策に向けて一段の金融緩和策に乗り出す可能性を強く示唆した格好だ。

参考;白川総裁/黒川総裁

*1:失業の悪化につながるデフレの放置