「ザ・日銀の番人」の新著を購入
日本銀行が「デフレの番人」だとすれば、そのような日銀の「デフレの番人」ぶりを長きにわたり厳しく批判し続けてこられた岩田規久男氏は「日銀の番人」(言い換えれば、『「デフレの番人」の番人』)だと言えよう。
- 作者: 岩田規久男
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/06/09
- メディア: 新書
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インメド(「中長期的な物価安定の目処」*1)の効果の検証(「日銀理論」の誤りを実証する「社会実験」としてのインメド)から日銀(+その他の中央銀行)の成績評価(あるいは勝敗記録・勝率w)、「日銀理論」(「デフレの日銀理論」と「金融政策の日銀理論」)の徹底的な論駁、2〜3%程度のインフレ率を維持しつつ実体経済の安定的な成長を促す「最適金融政策」(=インフレ目標政策)の検討、日本経済がデフレから脱却するために(加えて財政再建を実現するために)「最適金融政策」へと金融政策の枠組みを転換することの勧め(+金融政策の枠組みを「最適金融政策」へと転換した場合に具体的にどのようなメカニズムを通じてデフレからの脱却が実現されると考えられるか=トランスミッションメカニズムの説明)、・・・と「日銀の番人」ぶりが存分に発揮された内容テンコ盛りの一冊となっております。岩田先生のようなプロの「日銀の番人」とまではいかなくとも、素人の、それも筋金入りの素人の「日銀の番人」になりたい、そんな志をお持ちの方は是非ご一読あれ(もちろん、「「日銀の番人」の番人になってやる!」という批判精神溢れる方や「番人」という括りに何のこだわりも持たない方にもお勧めします)。
*1:「「中長期的な物価安定の目途」について(pdf)」(日本銀行、2012年2月14日)+「金融緩和の強化について(pdf)」(日本銀行、2012年2月14日)+「デフレ脱却へ向けた日本銀行の取り組み」(白川方明日銀総裁講演、2012年2月17日)