2006-04-21から1日間の記事一覧

自然失業率の成長循環仮説

アカロフ・中谷巌命題(=長期的にも(あるレンジの範囲内であれば)インフレと失業率のトレードオフ(=右下がりのフィリップスカーブ)が存在する)について田中先生より頂戴しました貴重なコメントを改めてエントリーさせていただきます(二度目になりま…

公平賃金仮説をたずねて 〜その2〜

George A. Akerlof, William T. Dickens, and George L. Perry、“Low Inflation or No Inflation: Should the Federal Reserve Pursue Complete Price Stability?”(August 1996;The Brookings Institutions HPより)。公平賃金仮説かつアカロフ・中谷巌命…

慣習の力

間宮陽介著『モラル・サイエンスとしての経済学』より、公平賃金仮説に関連する箇所を少しばかり引用。少なくとも短期的に見た場合、現実の貨幣価格を安定化させるのは習慣(habit)の力をおいてほかはない、と彼(=H・タウンシェンド)はいう。・・・「正常性」あ…

インフレによる損失

現実には個々の貨幣賃金の下落をもたらすことなしに、たとえば(効率性の観点から望ましいと思われる)相対賃金の変化を容易にするという点で、低率のインフレーションは、少なくとも時には実際に長所をもつことさえも認めうる。しかし、この長所自身も、そ…

公平賃金仮説をたずねて(補足)

ちょっとばかり余計な補足をば。(相対)賃金体系が公平であると感じられるためには慣習的な是認を得ている必要がある、とのことですが、これは長期間にわたる物価安定が実現されている(ないしは安定したマクロ経済環境が維持される)状況において公平な賃…

公平賃金仮説をたずねて

大部分の労働市場、そしてすべてのかなり重要な労働市場は、規則的である(=長期的、継続的な関係の上に成立している、という意味;引用者注)。さて、規則的雇用においては、単に効率という点からいっても、雇用者と被雇用者との双方が、両者の関係になに…

公平賃金仮説文献目録 〜その2〜

公平賃金仮説というか、アカロフ・中谷命題というか、(ある正のインフレ率の範囲内において)負の勾配をもつ長期フィリップスカーブについてというか、・・・とにかくウェブ上で読める(先の3つの議論に関係する)論文を集めてみました(もちろん全部読ん・…

公平賃金仮説文献目録

田中秀臣(1998)「高田保馬とJ. M. ケインズ」(上武大学商学部紀要9巻2号)田中秀臣(1998)「高田保馬の勢力経済学論争」(同10巻1号)根岸隆(1994),“Bohm-Bawerk and Shibata on Power or Market”, Discussion Paper Series(青山学院大学国際政治経…