ヒックス小ネタ

陰鬱なリカード?

労働節約的な技術進歩は、労働者から仕事を取り上げることになって、労働者にとっては望ましくないと信じる人々がいる。「ラッダイト運動の誤謬」と呼ばれるもので、経済学の長い伝統の中でも、これは最大級の愚かな主張の一つである。・・・ もともと「ラッ…

ヒックスとデムゼッツとルーカス

久しぶりのヒックスネタ。『資本と成長 Ⅰ』(邦訳、pp.16)より引用。Demsetzによるnirvana approachへの批判*1あるいはCoaseによるblackboard economics批判*2との類似性を見よ。 経済学者がみずからの「厚生」ルールを設定し、そして(もしできるなら)現…

貨幣数量説の祖

前ブログからのエントリーの移行作業がまだ終わってませんでした。このエントリー以外にも幾つか移行待ちの記事がありますけども、・・・気が向いたらアップしたいと思いまふ。なお誠に勝手ながらFellow Travelerさんから頂戴しました本エントリーへのコメン…

インフレによる損失

現実には個々の貨幣賃金の下落をもたらすことなしに、たとえば(効率性の観点から望ましいと思われる)相対賃金の変化を容易にするという点で、低率のインフレーションは、少なくとも時には実際に長所をもつことさえも認めうる。しかし、この長所自身も、そ…

公平賃金仮説をたずねて(補足)

ちょっとばかり余計な補足をば。(相対)賃金体系が公平であると感じられるためには慣習的な是認を得ている必要がある、とのことですが、これは長期間にわたる物価安定が実現されている(ないしは安定したマクロ経済環境が維持される)状況において公平な賃…

公平賃金仮説をたずねて

大部分の労働市場、そしてすべてのかなり重要な労働市場は、規則的である(=長期的、継続的な関係の上に成立している、という意味;引用者注)。さて、規則的雇用においては、単に効率という点からいっても、雇用者と被雇用者との双方が、両者の関係になに…

Hicks新刊

今回はマジネタ。John Cunningham Wood (ed.)、“Sir John Hicks: Critical Assessments. 2nd Series. 2 vols.(Critical Assessments of Contemporary Economists)”所収論文等ヨリ詳細な内容についてはこちらをご覧あれ。

パティンキンとヒックス

The Patinkin-Hicks Correspondence, 1957-58 http://scriptorium.lib.duke.edu/economists/patinkin/Don Patinkin著『Money, Interest, and Prices: An Integration of Monetary and Value Theory』を巡って新古典派総合(`neoclassical synthesis')の立…

ヒックス関連論文

たまにはHicksianらしく。全部pdf版です。●高田保馬、“ヒックス利子理論について”●同上、“ヒックスに於ける同時性の問題”●青山秀夫、“ヒックスの生産理論”●同上、“ヒックスの資本理論”●同上、“ヒックスの利子理論”●同上、“ヒックスの利子理論(承前)”●Miche…