RecessionとDepressionとの違いは?


Recession(リセッション)とDepression(デプレッション)の違いって何なの? っていうのは誰もが抱く疑問だと思うけれども、・・・違いって何?
ジョークで「Recessionはあなたの隣人が職を失う状態であり、Depressionはあなた自身が職を失う状態である」なんていうのがあるけれども、おおざっぱに言えば 「Depression=ひどいRecession」 ってことなんだろう*1(「ひどい」ってのはあまりにも曖昧過ぎる表現だけれども)。
この記事(=Mike Moffatt, “Recession? Depression? What's the difference?”)によれば、1930年代の大不況(Great Depression)以前にはrecessionとdepressionとの区別はなくて景気後退は全てdepressionと表現されていたとのこと。

Before the Great Depression of the 1930s any downturn in economic activity was referred to as a depression. The term recession was developed in this period to differentiate periods like the 1930s from smaller economic declines that occurred in 1910 and 1913. This leads to the simple definition of a depression as a recession that lasts longer and has a larger decline in business activity.

「今の状態(1930年代の大不況の真っただ中)に比べれば過去にdepressionと呼ばれていた状態なんてかわいいもんだ→今がdepressionなら昔の不況はrecessionってところかね?」ってな感じでrecessionとdepressionとの区別が表れるようになったと。

個人的には不況を指すのにrecessionという語が使われていて1930年代の不況をその他のrecessionから区別するために特別にdepressionとの語が使用されたと思ってたんだけれども、記事が正しければ逆だった(まずdepressionありき)ということになるな。暇があったらちゃんと調べてみたいところだけれども、そう言えばハーバラーの『好況及び不況の理論』って本の原タイトルは『Prosperity and Depression』だな。やっぱりrecessionが後なのかな?


好況及び不況の理論―循環運動の理論的分析 (1938年)

好況及び不況の理論―循環運動の理論的分析 (1938年)

景気変動論〈上〉 (1966年)

景気変動論〈上〉 (1966年)

景気変動論〈下〉 (1967年)

景気変動論〈下〉 (1967年)

*1:もしかしたら両者を区別するきっちりとした定義があるのかもしれないんで、もしそうだとしたら無知を晒しているだけでみっともないことこの上ないけども。